「ヨシュア・トゥリー/U2」 87年  評価3


 一般的に、U2の最高傑作と言われている作品であるが、かなり好き嫌いがあるのではないかと思われる。作品があまりに宗教的で崇高で、それが専門家的に言わせればトータル的に素晴らしい出来と映るのかもしれないが、果たして一般人のどれだけが純粋に最高傑作といっているかは甚だ疑問である。

 A面の3曲目までは完璧である。が、その後は詩の素晴らしさはさておき、音的には単調で特徴がなく、なんとなく聞き流すという表現が合う。U2でなければ、U2が築いた土台がなければさして特筆すべきものはない作品にはならないか?ベスト盤である「U2 ザ・ベスト・オブ 1990−2000」にA面の3曲が収録されているため、今後このアルバムを好んで聴くことはないと思われるため消去することになる。

 しかし、U2自身はロックの伝道師化されるのを嫌う。それは次のアルバム以降で明らかとなる。U2は唯の、唯一のロックバンドであることがこの後証明されていくのだ。

 「ウィズ・オア・ウィザウト・ユー」は数年前に日本のドラマで使われたこともあり、超有名な名曲。それと、1曲目の「ホエア・ザ・ストリート・ハヴ・ノー・ネーム」の疾走感が爽快だ。